左官材料の種類や特徴とは?
壁や床など様々な場所に左官材料が使われますが、どのような種類があるか知っているでしょうか。漆喰やモルタルなど名前は聞いたことがあっても、どのようなものなのか詳しくは分からないという人がいるかもしれません。今回は左官材料の種類や特徴、注目を集めている左官材料などについて紹介していきます。
【今回の記事のポイント】
✔︎左官材料の特徴や種類がわかる。
✔︎おすすめの左官材料がわかる。
更新日:2023/4/18
初稿:2022/11/10
《目次》
・塗り壁に使う際のポイント
・左官材料のそれぞれの特徴
・左官材料の注目商品を紹介!
・左官材料を使うメリット
・モールテックスの購入は?
・左官材料選びに困った時は…
塗り壁に使う際のポイント
■左官材料の種類を把握しておく
塗り壁などの仕上げに左官材料が用いられますが、様々な種類があります。漆喰や珪藻土などがあり、それぞれ仕上がりや特徴が変わってきます。そのため、まずは左官材料ごとの違いや特徴を理解しておくことが大切です。リビングルームを塗り壁にする場合はデザイン性にこだわる、キッチンなどの水回りの壁には防水性が高い左官材料を使うといったように、目的に合わせて選ぶようにしましょう。
■事前にしっかり見積もりを出しておく
左官材料は、メーカーや種類によって費用が変わります。珪藻土やモルタルなど、それぞれの費用相場をチェックした上で、予算内に収まる左官材料を選ぶことが大切です。また、施工方法によってもかかる費用は変わるので、早めに見積もりを取っておくことが大切です。DIYで塗り壁などを作る場合には、基本的に材料費だけで済みます。
道具を揃えるためにある程度の費用がかかる場合があるので、比較的安い方法で済ませたいという方は、本当に安く済むかどうかしっかり事前に計算しておきましょう。業者に工事を依頼する場合は、色々な業者を比較してみることが大切です。業者によって工事にかかる期間、費用などが変わるため、複数の業者に見積もりを依頼して比較してみましょう。
左官材料のそれぞれの特徴
■漆喰
日本で古くから使われている左官材料が漆喰(しっくい)です。住宅はもちろん、昔は城や蔵など幅広く使われてきました。石灰に麻や海藻糊などの材料が混和した左官材料で、滑らかな質感が特徴です。また、防火性能も比較的高いということで、防火材としての役割も果たしてくれます。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどを分解する他、脱臭効果も期待できるということで、防臭性にも優れています。漆喰というと白いイメージがあるかもしれませんが、近年は白以外にも様々な色の漆喰が使われるようになりました。
■珪藻土
珪藻と言われる植物プランクトンの死骸が海底などに堆積してできた土です。珪藻の殻が主な原料となりますが、左官材料として用いる場合には糊と合わせて固められます。環境に優しい自然素材であることから、室内の壁などに用いられることが多いです。また、珪藻土は湿気を吸収する働きがあり、調湿機能に優れた左官材料として知られています。
■シラス壁
シラスを原料として作られた左官材料です。シラス壁に使われるシラスは火山噴出物が堆積したもので、魚のシラスではありません。日本は火山が多く様々な地域でシラスが産出されるということで、ローコストな左官材料として人気になっています。
■聚楽壁(じゅらくへき)
聚楽壁は聚楽土という色がついた土を用いた左官材料です。京都に聚楽第と言われる豊臣秀吉の城があり、その跡地から産出された土を左官材料に使っていたことから、聚楽壁という名前がつけられました。近代でも聚楽壁が使われていますが、すべて聚楽第付近の土が使われているわけではありません。聚楽壁と同じような質感、色合いを持った壁を聚楽壁と呼ぶようになったため、京都以外の地域で産出された土が使われているケースも多いです。どのような土を組み合わせるかで、様々な色合いを出せるという特徴があります。漆喰や珪藻土と同じような性質を持っていますが、より土壁らしい質感を得られます。
■モルタル
モルタルは、セメントと砂、水を混ぜて作られた左官材料です。塗り壁や仕上材など様々な用途に使われる左官材料で、コンクリートのような見た目をしているということで、スタイリッシュなデザインを求める人達に人気があります。滑らかに仕上げることができ、凹凸が少なく掃除がしやすいのがメリットです。また、防水性が高い左官材料なので、キッチンなど水気が多い場所にも問題なく使用できます。
■プラスター
プラスターというのは、石灰を基材にした左官材料です。ドロマイトプラスター塗りや石膏プラスターなど、様々な種類があります。プラスターの特徴は発色の良い色合いです。輝きのある白色をしたプラスターは、明るい雰囲気を出したいリビングルームなどによく使われています。西洋漆黒とも呼ばれる左官材料で、海外から輸入された商品も多く見つかります。
■繊維壁
繊維壁は、化学繊維やパルプ、紙繊維などを混ぜて水で練られた左官材料です。調湿作用や吸音性などはありますが、耐久性が低いため補修の頻度も多く、用いられることは少なくなっています。
■砂壁
なめらかな質感で人気が高いのが砂壁です。湿度が低い時は放湿、湿度が高い時は吸湿する調湿作用があります。部屋の温度を一定に保ってくれる効果もあり、カビやダニの予防効果も期待できます。砂や土などが主な原料となるため、燃えにくく耐火性に優れているのも特徴の1つです。ただし、経年劣化によって砂が落ちてしまう、衝撃に弱いといったデメリットも存在します。
左官材料の注目商品を紹介!
■ベルギーの会社が開発した注目の左官材料
モールテックスは、ベルギーにあるBEALという会社が開発した左官材料です。モルタルやコンクリートと同じような材料で作られていますが、セメントや砂以外にも特殊な樹脂を混ぜているため、艷やかな質感や柔軟性を持ち合わせています。耐久性や防水性が高いだけではなく、非常に扱いやすいということで注目を集めています。
■高い防水性
■表面強度がコンクリートの1.5倍
■接着性が高い
■柔軟性が高い
■デザイン性の高さが人気
左官材料を使うメリット
■断熱性が高く冷暖房の効果がアップする
左官材料は、断熱性の高さが大きな魅力です。部屋の壁を左官材料にすることで断熱性が高まり、冷暖房の効率がアップします。暑い夏は涼しく、寒い冬は暖かく、過ごしやすい環境に整えてくれるため、光熱費の削減がしやすくなります。
■調湿性に優れている
材料によって変わりますが、左官材料は基本的に調湿性に優れた素材が使われています。日本は高温多湿ということで、季節を問わず室内の湿度調整に悩まされるケースが多いです。左官材料は湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時は湿気を放出してくれる調湿性に優れた素材です。結露の防止にもなりますし、ダニやカビなどの予防効果も期待できます。
■唯一無二のデザイン性
左官材料は、職人の手によって塗られるものなので、1つ1つデザインが微妙に異なります。手作業ならではの、オリジナリティー溢れるデザインが魅力です。デザインにこだわる人にとって、最適な材料と言えるでしょう。
■安全性の高さ
化学物質が含まれた材料を用いて床や壁を塗ると、シックハウスの被害が発生する可能性があります。左官材料は、天然素材を使ったものが多くあるので、シックハウス対策をしたい時に最適です。また、シックハウス症候群の原因となる物質を吸着してくれる左官材料もあるため、アレルギーを持っている人、小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使用できます。
左官材料は多くのメリットがあることで、見直されてきている材料でもあります。海外でも人気がありますし、トレンドのニュアンスカラーが人気に拍車をかけています。お住まいの近くにモールテックス施工が可能な業者様がいるか知りたい方には、業者様のご紹介もしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
モールテックスの購入は?
モールテックスはベルギーの会社が開発した左官材料ですが、日本でも通販などで販売されています。壁や床にモールテックスを使いたい場合は、ネット通販を利用するとよいでしょう。日本でモールテックスを取り扱っているお店はいくつかありますが、ぜひ、サカンアート(SAKAN ART)で!
左官材料選びに困った時は…
漆喰や珪藻土など様々なタイプの左官材料がありますが、近年人気が高まっているのがモールテックスです。耐久性や調湿作用、防水性が高いといったメリットはもちろん、柔軟性が高い、カラーバリエーションが豊富といったモールテックスならではの魅力がたくさんあります。サカンアートを利用すれば直輸入のモールテックスが通販で手に入ります!
独自でベルギー本社と契約を結び、日本の代理店として販売を行っているので気になることがあれば何でもお気軽にお問い合わせください。また、実際に商品をご覧になりたいという方はショールームもございますし、塗装サンプルもございます。そして、施工方法をオンラインで学べるオンライン講習会も行っております!