店舗の床選びのポイントや材質を紹介
床に適した材質というと、モルタル・コンクリート・シートなどが思い浮かびますが、実際の店舗ではどんなものが使われているのでしょうか。近年注目されるモールテックスについてもご紹介します。

【今回の記事のポイント】
✓雰囲気がよくなる床の魅力についてわかる。
✓モールテックスを使用したオシャレな床についてよくわかる。
更新日:2023/5/30
初稿:2022/10/25
《目次》
店舗の床材を選ぶポイント

新装開店したり、イメージチェンジを狙って店舗リニューアルする場合は特に、全体の統一感を大事にしたいものです。
壁や天井の色やデザイン、そして床の仕上がりとのバランスを考えると、そのお店が提供したい商品やサービスについてお客様にメッセージを伝える役割を果たすとともに、空間の居心地の良さを演出できます。お店のコンセプトを明確にするのに、床も含めた統一感が重要な役割を果たします。

大規模な店舗では、床面積が壁などよりも大きくなりますし、昨今の感染症対策などで、ソーシャルディスタンスを保つよう、あえてスペースを取っているお店も多いので、床が与える印象は大切です。
上記写真はショップのフロアをモールテックスで施工したものです。BM24のカラーで仕上げ、色とりどりの洋服や木製の家具とも相性よく、お店の一体感を演出するのに一役かっています。モールテックスはカラーバリエーションが豊富なため、どんな空間にも合わせてカラーリングすることが可能です。
床は、店舗の雰囲気づくりに加え、安全面で優れていることが重要です。
飲食店の場合は、各都道府県で「食品衛生法施行条例」が定められているので、法律に沿った床選びは必須といえます。
床の安全性を考えることは、来店されるお客様が滑ってけがをするなどのリスクを軽減できるだけでなく、従業員が安心して働ける環境を作るのにも役立ちます。安全性は、耐久性や防水性を含めて考えるのが大事です。さらに、メンテナンスのしやすさを考慮すると、店舗運営もしやすくなるに違いありません。

こちらの写真はモールテックスBM23のカラーで仕上げた床になります。家具や照明との相乗効果で空間に高級感を感じます。人気のモルタル色に次いで好評なベージュのようなオフホワイトのようなカラーは温かみのある空間を作りたい場合にはおすすめです。
店舗の床におすすめモールテックス

モールテックスは、どんな下地にも施工ができるので、お店全体をトータルコーディネートするのにも役立つはずです。実際、モールテックスは、雰囲気作りが大切な美容室やショッピングモール、こだわりを重視する飲食店などでも人気です。新築だけでなく、リフォームにも活用できるので、利用幅は広いといえます。

モールテックスは薄塗りができるのが特徴で、最薄2ミリの厚みで防水性を持たせて仕上げることも可能です。2ミリの薄さであっても防水が可能なのは、塗装やワックスとは違い、固まる過程でほとんど伸縮せず、ひび割れに至らない特性があるからです。
高い強度があるモールテックスだからこそ、床や土間といったタイトな環境でも使うことができます。
水を使うことが多い飲食店や美容室などでも施工が可能な点は、モールテックスのメリットといえるでしょう。薄塗りが可能ということは、店舗をより広く使うのにも役立ちます。厚さにしてたかが数ミリですが、壁や柱など、何カ所にも厚塗り素材で施工すると、店舗の敷地面積を狭めることになり、材料コスト上昇にもつながるからです。

モールテックスは、通常の左官材料を扱う場合に比べて作業工程が若干複雑になるため、専門の技術を持つ業者に依頼する必要があるからです。店舗のオーナーであれば、自分で色味を選んで、施工は専門の業者に任せられるので、新築物件に加えリフォームでも活用しやすいに違いありません。設計事務所や工務店も、おしゃれで色の自由度が高いモールテックスは、店舗側に提案しやすいでしょう。サカンアートでは、実物を手に取って品質や質感を確認できる無料サンプルも用意しています。モールテックスを検討したい店舗のオーナー、検討を促したい施工関係者の方は、サカンアートに相談することをおすすめします。
床のリフォームはタイミングが大事
では、床のリフォームを行うのはいつがよいのでしょうか。

例えば、仕上げの表面が剥げてきた、色あせが激しいなど、明らかに劣化していることが見て取れる場合は、すぐにでも床をリフォームしたいものです。経年劣化は、日々の掃除などで多少遅らせることは可能ですが、それだけでは解決できません。
床のリフォームは、場合によってはお店を休みにして行うなど、時間も経費もかかります。
できるだけ床のリフォームを先延ばししたい、頻度を減らしたいと考えるなら、あらかじめ耐久性に優れた床材を選ぶのも選択肢の一つです

店舗用の床材にはどんなものがある?

■フローリング■
店舗によく使われる床材の一つが、フローリングです。フローリングは木材で作られており、コンクリートに比べて2倍の断熱性があると言われています。木が持つ暖かさを利用し、ゆったりとした空間を作り出せるのが、フローリングの利点とされます。フローリングは耐水性が難点とされ、キズが付きやすく、割れたり反りが発生するのもデメリットです。


ポリ塩化ビニル製素材も、店舗でよく採用される床材です。シート状になっているクッションフロアや、タイル状になっているフロアタイルは、ポリ塩化ビニル製がほとんどです。クッションフロアは、面積が広いリフォームに適しており、衝撃吸収性が優れていることから、転倒などによるけがのリスクを軽減したい高齢者施設や、安全に子供を遊ばせたい保育園などによく利用されます。
一方、フロアタイルは、メンテナンスが容易、土足にも強いという理由から、飲食店に加え、学校やオフィスの廊下・階段にも使われます。比較的安価で施工できますが、耐火性・耐熱性の面では劣っているとされるので、使う場所に注意する必要がある素材といえます。

■カーペット■
断熱性とともに防音性に優れた床材といえます。カーペットは高級感も演出できるので、ホテルや喫茶店などで採用されています。中でもタイルカーペットは、汚れた部分だけを取り換えられる利点もあり、オフィスなどで使用するケースが増えています。カーペットは摩擦や水分に弱いので、飲食店や美容室などには不向きです。施設によっては、消防法施行規則などで使用できない場合もあるため、事前の確認が必要です。

■磁器タイル■
ナトリウム・カルシウム・カリウムなどの鉱物類を含む長石や粘土などを混ぜて焼き上げたのが、磁器タイルです。水をこぼしてもしみこまず、耐久性や耐摩擦性を有しながら、独特の質感を楽しめるメリットがあります。床材としては硬めの素材となるため、脚に負担がかかったり、冬場に足元が冷たくなりやすいデメリットがあります。カーペットなどと併用するのもおすすめです。
■モルタル■
モルタルは、下地にコンクリートを敷いたうえで表面加工を施すので、耐久性が高く、価格を抑えながら、おしゃれでデザイン性が高い床に仕上げることができます。磁器タイルと同様、材料が硬く、脚に負担がかかりやすいデメリットがあります。経年劣化するとヒビが入り、ごみがたまりやすくなるため、粉じん対策が必要になります。

飲食店のフロアに推奨されるのが、塩ビ素材の床材です。予算に余裕がある場合は、雰囲気が演出できるフローリングやタイルなどがおすすめですが、機能面とのバランスが大切になります。アパレル店舗にも塩ビ素材の床材を使えますが、フローリングやモルタルを使うと、空間に独自性が出せるメリットがあります。美容院には、清掃がしやすいクッションフロアやフロアタイルが向いています。壁や天井、椅子や機材などと調和しないと感じる場合は、モルタルを使うこともできるでしょう。オフィス機能を備え持つ店舗の場合は、遮音性を考えてタイルカーペットを使うとよいかもしれません。それぞれの空間に適した床材を選ぶことが大切です。モールテックスも床材として人気!参考までに施工事例をご覧ください。
近年人気の店舗の床材でお店つくりを

店舗の床は、お店全体の雰囲気を大事にしながら、耐久性やメンテナンスのしやすさを考慮すると、顧客・従業員双方の満足度とイメージアップにつながります。店舗の床材の基本は、モルタルやコンクリート、塩ビなどでつくられたシートになりますが、それらの良さを生かしつつ、デメリットを解消したモールテックスを利用すると、より魅力的なお店作りに役立ちます。
ぜひ、この機会に店舗の床をモールテックスでオリジナル仕様に仕上げてみてはいかがでしょうか。きっと素敵な空間になることでしょう。もちろん、初めてで心配という方や、DIYにチャレンジしたいという方にもご安心して利用いただけるよう「モールテックス講習会」なども行っているのでお気軽にお問合せください。