マンションキッチンのリフォームと居住性について
【今回の記事のポイント】
✔︎キッチンリフォームに要する期間やモールテックスがおすすめな理由がわかる。
✔︎モールテックスの具体的な事例がわかる。
更新日:2023/7/15
初稿:2022/8/17
《目次》
・キッチンが傷む理由や形状で異なる費用
・マンションのキッチンリフォームが難しい理由
・キッチンリフォームを左官材料で行うには
・キッチンリフォームの施工事例について
・こだわりのキッチンリフォームはモールテックス
キッチンが傷む理由や形状で異なる費用
使用頻度が高く傷みやすい
どんなキッチンであれ、昔から台所は毎日の調理などで使う頻度が高く、コンロを使ったり熱水を捨てるなどの行為で急激な温度変化が生じることも多く、傷みの主な理由の一つでもあります。また、下水道に繋がる排水設備や蛇口に近い壁は湿気によってカビの発生もしやすく、そのカビが建材を腐食させるケースもあります。
湿気そのもので配管設備にサビが生じることもありますが、いずれの場合も少しずつ状態が悪くなるので気が付きにくく、水漏れなど重大なトラブルが起きて初めて傷みが発覚することが多いので注意しなければいけません。傷んでいる箇所が拡大しているとリフォーム工事も大掛かりになり、費用も嵩みます。更に工事中は基本的にキッチンを使うことができないので、事前に工期などを知っておく必要があります。
キッチンの形状でリフォーム費用が変わる
キッチンのリフォーム費用は工事の規模以外に、キッチンのタイプでも変化します。キッチンが壁に面しているI型キッチンは日本で古くから用いられているデザインであり、リフォーム工事の費用も抑えることができる安価なプランが多数です。同じ場所にシステムキッチンの取り替えを行うだけの場合や、工事のノウハウも充実していることから工事期間が当日のみのケースも少なくありません。
一方で築年数が浅いマンション物件ではI型キッチンはあまり採用されず、アイランド型などカウンターがある対面式のキッチンが多いように感じます。その場合、工事費用は傷んだ部分を直すシンプルなプランでも約50万円、設備の位置や間取りのレイアウトを変更したり、新しい内装にるための左官塗材を用いるプランで約80万円〜100万円ほど掛かるのが平均的な金額と言われています。
二面の壁にキッチンを取り付けているL型キッチンは面積が広い分、I型キッチンよりも工事費用が割高になるとされています。I型キッチンよりも2割程度、価格が高くなり、シンプルなプランで約60万円〜70万円、使い勝手や機能を改善させる贅沢なプランで約100万円〜120万円ほどの料金が掛かるとされています。工事内容が大きくなるのと比例して、工期もやや長くなり、I型キッチンなら当日中に終わる簡単な工事でもL型キッチンなら2日から3日ほどかかることも珍しくありません。
対面型キッチンは名前の通り、キッチン部分がリビングやダイニングなど他の部屋と向かい合う形で置かれているオープンなデザインです。配管設備が独特の構造になっていることが多いため、リフォーム工事の費用はもっとも高額になるとされています。そのため、傷んだ部分を直すシンプルな工事でも約100万円かかることもあるようです。
傷みの程度や、キッチンの種類の選択によって見積もりは変動します。また、撤去や工賃などのサービスでも料金が上乗せされるケースもございますので事前にチェックしておきましょう。
マンションのキッチンリフォームが難しい理由
梁の存在が大掛かりなリフォームを困難にしている
マンションのキッチンリフォームは一戸建ての住宅よりも難しいとされていますが、その理由として挙げられるのが梁の存在です。マンションは建物の強度を向上させるために梁が使われていますが、目に見えず隠れている場合も多いです。キッチン部分に梁があるとリフォーム工事の妨げになってしまいます。レンジフードや戸棚の設置、位置の変更など大掛かりな工事は梁を避けて行う形になるので、場合によっては工事の規模が制限されてしまうのです。梁に対応した形状の設備を導入するなど工夫次第で条件にあった形の工事を行うことは可能ですが、コストが嵩んでしまう事実は否定できません。
給排水設備の位置変更は注意が必要
キッチンリフォームでは給排水設備の位置が重要になります。上下水道の配管に近い位置がキッチンを置くのに最適ですが、リフォーム工事によって位置を変えると設備まで配管を延長させる必要が生じます。特に排水設備は水をスムーズに流すための勾配が設けられていることから、角度の変更を考慮しなければいけません。また、マンション物件は階下の天井裏部分に排水管を通していることがありますが、この場合は大幅な位置変更ができません。築年数が長い物件は階下の天井裏部分に排水設備を置いていることが多いので注意が必要です。
電気容量の確認は不可欠
キッチンリフォームではガスコンロをIHヒーターに交換するプランが人気です。火を使わないので安全というメリットがありますが、反面、住宅の電気容量に左右されるデメリットもあります。IHヒーターの多くは200Vの電圧に対応していますが、家庭用の電圧は100Vが普通なので配線設備を増設するなどの対処が必要になります。マンション物件は分譲であっても配線や配管などの共有設備は入居者が勝手に変更することができません。リフォーム工事を行う際は建物の管理者に相談し、検討する必要があります。建物全体の電気供給量が決まっている所も少なくないので前もって確認することは必須と言えるでしょう。
防音性を損なう建材は使えない
キッチンリフォームを左官材料で行うには
頑丈かつ、しなやかな作りが特徴
モールテックスがキッチンリフォームに適している理由
モールテックスがキッチンリフォームに理想的な塗材として重宝されているのは防水性を保ちながら薄く仕上げることができるためです。特殊な樹脂をセメントに練り込んで作るモールテックスは強度を保ちながら薄く仕上げることができます。樹脂は水を弾く作用があるので防水性も高く、キッチンのように水を頻繁に用いる場には理想的な塗材と言えるでしょう。薄く仕上げることで壁や床の他、シンク下の収納部分の扉にも安心して用いることができます。
防水性の高さを活かして建材の腐食を予防できるのがおすすめできるポイントになります。モールテックスは乾燥すると特有の落ち着いた感じの質感になるので、重厚感を演出するのに向いています。
キッチン部分を落ち着いた感じにすることで相対的にリビングやダイニングの華やかさを強調することができます。また、モールテックスは専用の顔料を加えることで様々な色合いにすることもできるので、明るい雰囲気を持たせることも難しくありません。
施工はしっかり丁寧に行うことが必要
モールテックスは非常に頑丈であり防水性も高いことから理想的な塗材として重宝されていますが、施工がやや難しいのも事実です。一般的なモルタルと比べても手間がかかる作業内容であり、塗布した後は十分に乾燥させ、そこから更に2回塗りと研磨、そして表面を綺麗に仕上げるオイル塗布を行う必要があります。
モールテックスの塗布作業は熟練した職人しか行うことができないため、施工業者を探すのも決して簡単とは言えません。未熟な職人が塗布するとひび割れや色ムラなどの不具合が生じる可能性もあり、モールテックスの長所が著しく損なわれます。満足できる仕上がりを求めるなら優れた技能を持つ優良業者を選ぶことが何よりも重要です。
サカンアートでは、全国各地の業者様向けにオンラインでの講習会を実施しています。
材料の取り扱いから施工に関する注意点なども含め、分かりやすく丁寧にお伝えいたします。希望の施工箇所や購入した商品での対応など、お客様のご要望などございましたらお気軽にご相談ください。
キッチンリフォームの施工事例について
モールテックスは防水性や強度の高さからリフォーム工事に多用されています。薄く仕上げることができるため、設備の移動や建材の交換が難しいマンションリフォームでは特に需要が高いと言えるでしょう。不動産業者やリフォーム業者のホームページにはマンションリフォームの施工事例が掲載されているので、検索によって具体的な施工結果を確認できます。特にリフォーム業者は自身が手掛けたリフォーム工事の施工事例を詳しく公開しているので、これからキッチンリフォームを行おうと考えている人は参考になります。同じモールテックスでも施工業者によって見た目や質感が異なりますので、複数の施工事例を比較することで好みの質感を探すことができます。
施工事例は自分の目で確認するのが確実ですが、現地に見学に行くのは手間も時間もかかります。その点、リフォーム業者などが公開している画像を比較する方法は自宅に居ながらにして複数の施工結果を知ることができるメリットがあります。業者に問い合わせてリフォーム工事の期間や費用を確認する際にも施工事例の画像は参考になるので、満足できる結果を得るなら施工事例の確認は必須です。リフォーム工事は大きな買い物でもあることから、さまざまな情報を比較しつつ慎重に判断する姿勢が求められます。
サカンアートではお住まいの地域でモールテックスを取り扱う業者様をご紹介するサービスも行っております。モールテックスで仕上げたいけど、近くでモールテックスを施工できる業者様がわからないという方は、ぜひお問合せください。
こだわりのキッチンリフォームはモールテックス
今までの話をまとめ、キッチンリフォームはデザイン性や機能性を向上させることを目的として行うことが多いです。要望通りの満足できる仕上がりにするためにも、質の高い塗材が不可欠と言えます。その点、モールテックスは強度が高く防水性も備えている他、薄く仕上げることでどのような場所にも用いることができ、キッチンリフォームにも最適です。費用は目安よりも高いとされますが、長期的な視野で見ればモールテックスは理想的な塗材であると言えるでしょう。
今回の記事を読んで、モールテックスに興味をお持ちいただけたり、取り扱ってみたいという業者様がおられましたらいつでもお気軽にご相談ください。キッチン以外にも、各フロアの床や壁などに施工することも可能で、空間に合わせ要望を伺い、こちらで提案することも可能です。まずは無料サンプルにてモールテックスに関する資料をご覧いただければと思います。
監修者からのメッセージ
サカンアートでは「世界の優れた左官材料の提供を通じて、日本の住環境をより豊かにする」事を目的としております。
左官でしか表現できない「おしゃれでありながらも居心地のいい空間づくり」。そんな左官材料を世界から日本に提供することでより豊かな住環境づくりのお手伝いができる存在となって参ります。