モールテックスとは何か?壁紙との違いや特徴を解説

モールテックスと壁紙を解説

モールテックス
新しい建築資材として注目されているモールテックスをご存じでしょうか。こちらでは、モールテックスの特徴や壁紙との違いなどについてご紹介していきます。

【今回の記事のポイント】
✔︎モールテックスについての理解が深まる
✔︎モールテックスと壁紙の違いがわかる

更新日:2023/7/18
初稿:2023/6/15

《目次》

モールテックスとは何か?

モールテックスは、ベルギーのBEAL社が開発した薄塗りの左官仕上げ材です。同じセメント系ということもあり、見た目はモルタルに似ていますが、特殊な樹脂を加えているのでモルタル仕上げよりも若干艶があり、カラーバリエーションも豊富です。
モールテックス
また、モルタルは水を吸収しやすい性質を持っていますが、モールテックスの場合は逆に防水性を有しており、強度も高いため、様々な場所で使うことができます。左官材なので誰でもきれいに仕上げられるというものではなく、価格も安いとは言えませんが、幅広い素材の下地に塗ることができ、顔料を調整することでカラーバリエーションが無限にあること、表面強度や柔軟性に優れていることなどから、イメージ通りの内装に仕上げることができるでしょう。
 

⇩⇩モールテックスの製品情報はこちら⇩⇩

自由度の高い建築資材ではありますが、ムラなく薄くきれいに塗らなければなりませんので、DIY用というよりは左官業者に依頼しなければならない資材です。ただし、塗る下地や形状を選ばず、使い勝手の良い特徴を備えているため、自由度の高い設計ができます。
モールテックス
リビングや寝室だけでなく、キッチンや洗面所などの水回りにも使えますし、テーブルやチェストなどの家具に塗って統一感やオリジナリティのある内装にした施工例も少なくありません。輸入材なので国内の規格であるフォースターは取得していませんが、日本よりもさらに厳しい世界共通規格である「ISO9001」を取得しているため、安全面についても信頼できます
モールテックス

施工事例一覧

モールテックスと壁紙の違い

モールテックスと壁紙のクロスは、壁で使える材料という点では共通していますが、特徴や施工方法が全く異なります。壁紙はいわゆるクロス系の内装材で、よく使われる素材はビニールや紙です。必要な大きさにカットして貼るだけなので、DIYで利用するケースも見られます。
モールテックス

短時間で施工でき、さらに材料が安くバリエーションも豊富なことから、壁の仕上げによく利用されている内装材です。防水、防カビなどの機能を持つ壁紙もありますが、剥がれたり破れたりする可能性があるため、浴室や流し台付近など、濡れやすい場所ではあまり使いません。
【下記画像は壁紙が剥がれた事例】

壁紙

一方、左官材は、コテを使う左官工法で施工する壁仕上げ材です。左官材を使って仕上げた壁は一般的に塗り壁と呼ばれており、湿度の調整や断熱性に優れているので、四季によって環境が大きく変わる日本の家屋に向いています。漆喰や珪藻土などは快適な空間にしたいという施主の要望に応えられる建築資材と言えるでしょう。

モールテックス
塗り壁に使う資材にはモールテックスの他に漆喰や珪藻土、モルタルなどがあります。モールテックスの仕上がりはモルタルに近いですが、壁紙のようにある程度の防水性を有している上、強度が高く、使い勝手の良い資材です。しっかりと下地処理をすれば割れにくい資材でもあります。
モールテックス
コストが安く、貼るだけで印象を変えられる壁紙は、手軽に模様替えができて便利というメリットがある反面、耐久性はそれほど強いとは言えませんし、はがれたときに部分的な修復が難しいというデメリットがあります。色やデザインの自由度は高いですが、凹凸が激しい箇所にきれいに貼ることは難しいですし、一部の下地には使えません。

一方、モールテックスはコストがかかりますが、左官業者に依頼することできれいに仕上がり、壁紙にはない落ち着いた雰囲気で部屋全体を包むことができます。また、壁紙は模様を選ぶことができますが、モールテックスは仕上げ材として塗るものですので、仕上がりは無地となりますが統一感のあるデザインにすることが可能です。

しかし、耐久性は高いですし、壁紙のようにはがれた箇所が目立つようなこともなく、長期的な利用に向いています。様々な下地に使うことができるため、技術力のある左官業者が作業をすれば、複雑な形状であってもきれいに仕上げることができるでしょう。

サカンアートでは、他にもたくさんの施工事例を一覧にてご紹介しています。施工場所別に事例を検索いただけますので、ぜひチェックしてみてください。

モールテックスを使うメリット

モールテックス
モールテックスを使うことで、他の内装材にはない様々なメリットを得ることができます。以下に、モールテックスにはどのようなメリットがあるのかについて見ていきましょう。

防水性がある

壁紙の中には防水機能がついているものもありますし、タイルのように風呂場など、特に濡れやすい場所に適している内装材も少なくありません。しかし、モルタルのような風合いでありながら、水を通さずに濡れても溶けることがないモールテックスは、場所を選ばず幅広い場所で使うことができます。実際、屋内の水回りだけでなく、プールや庭の池のように常に高い湿度や水にさらされる場所でも、モールテックスは使われています。

モールテックス

高い耐久性・耐摩耗性を持つ

長く使用する内装材は、耐久性の高さも重要なポイントの一つです。壁紙は破れたり剥がれたりすることがありますし、漆喰はヒビが生じる可能性が考えられます。建物は経年劣化で壁の下地自体が歪むため、仕上げ材には柔軟性が必要です。モールテックスは数ミリ程度の厚さですが、表面圧縮強度がコンクリートの1.5倍と耐摩耗性に優れた素材です。また、柔軟性があるので多少の歪みが生じても、ヒビが入りにくくなっています。熱にも強く、キッチンカウンターの天板や床下暖房、スチームサウナなどにもおすすめです。

モールテックス

キッチンなど水廻りの施工事例一覧

様々な下地に使える

モールテックスは左官材の中でも強い粘着力と柔軟性があるため、下地を選びません。木材や石材、金属、タイル、ビニールクロスなど様々な下地の上から塗ることができますので、リフォームの際に下地処理をすることなく施工が可能です。

モールテックス

希望のデザインやカラーが実現できる

モールテックスは薄く塗り広げて仕上げる左官材ですので、複雑な形をしている場所や広い場所でもシームレスできれいな仕上がりになります。カラーバリエーションも豊富で、標準カラーが64色ありますが、オリジナルの色合いを生み出すことも可能です。モールテックスのベースは白で、顔料を混ぜて色を作り出しますので、色合いにこだわりがある方でも満足できる仕上がりになるでしょう。

モールテックスを使う際の注意点

モールテックスは従来の建築資材では難しかった作業が容易にできることから、注目を集めている資材です。しかし、使用する際にはいくつか注意しておくポイントがあります。以下に、モールテックスを使う際の注意点についてご紹介していきます。
注意点

施工業者が限られる

モールテックスはコテで塗り広げる左官仕上げ材であり、塗装剤ではありません。塗装剤はローラーで簡単に塗ることができますが、モールテックスは扱い方を理解している左官でなければきれいに仕上げることが難しいため、業者を探す必要があります。モールテックスを取り扱っているサカンアートも、物品の納品のみで施工は行っていませんが、施工業者様のご紹介は行っております。

水回りの使用では下地にも気を付ける

モールテックス自体は防水性を有していますが、湿度は通しますので、単体で防水材として使うことはできません。例えば、下地が水分で膨張や変形をする素材であれば、下地の変形によってモールテックスにもヒビやゆがみが生じる恐れがあります。水や湿気が溜まりやすい箇所で使用する場合には、必ず下地で防水材を使い、複合防水をとりましょう。

モールテックス

手間とコストがかかる

モールテックスは一般的なモルタルよりも材料費が高額ですし、工程が複雑で認定を受けた職人しか扱えないため、割高です。しかし仕上がりはとても綺麗でお部屋の統一感も出ます。また、塗装から乾燥、二度塗り、研磨、仕上げと工程数が多く、その都度乾燥させなければならないため時間もかかりますが、その分強度、防水性、安全性もあるため近年ではニーズが増しています。用途に応じてモルタルと使い分ける、時間的に余裕をもって施工を依頼するなど、工夫しましょう。
下記より一度お問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

モールテックスを様々な場所で使おう

モールテックス
このように、モールテックスを使えば従来の左官材では難しかったデザインでも実現可能です。サカンアートでは様々な色やデザインのモールテックスを取り扱っており、ホームページではカラーチャートや実際の施工例の掲載、サンプルの販売や講習会の開催やショールームの開設なども行っています。また、ご自宅でゆっくりご覧いただけるよう無料カタログもご用意。興味がある方はぜひチェックしてみましょう。

監修者からのメッセージ

監修者
監修者:毛受 進(2級建築士/1級土木施工管理技士)
サカンアートでは「世界の優れた左官材料の提供を通じて、日本の住環境をより豊かにする」事を目的としております。
左官でしか表現できない「おしゃれでありながらも居心地のいい空間づくり」。そんな左官材料を世界から日本に提供することでより豊かな住環境づくりのお手伝いができる存在となって参ります。

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