【今回の記事のポイント】
✔︎左官材料についての基礎知識がわかる
✔︎「ビールストーン」のおすすめポイントがわかる
更新日:2023/6/12
初稿:2023/2/22
《目次》
・そもそも左官塗材とは?
・ビールストーンの特徴とは?
・ビールストーン購入はサカンアートがおすすめ
・ビールストーンはメリットの多い左官塗材
そもそも左官塗材とは?
「ビールストーン」は、ベルギーの「BEAL International」社が開発した鉱物性の左官塗材の一種です。
その耐久性や、デザインバリエーションの豊富さなどから、左官塗材の市場にある種の革新性をもたらしました。
最新の左官材料とも言えるビールストーンの魅力に触れる前に、そもそも左官塗材とは何かについて押さえておきましょう。
まず左官とはどのようなものかという点ですが、鏝(こて)などの道具を使って塗りの技巧により、建築物の壁面や床面などを仕上げていく仕事のことをさします。
この左官仕事で使われる材料が左官塗材です。
いずれも空気と水が反応して固まる性質を持っており、それが固まり切らないうちに鏝などで壁や床に均一にならして美しく見せる、その材料をさします。代表的なものに「漆喰」「珪藻土(けいそうど)」「聚楽壁(じゅらくかべ)」「シラス壁」「モルタル」などがあります。詳細についてご紹介します。
■漆喰
消石灰に、麻やわらなどのつなぎ材である「すさ」、海藻のりなどを混ぜて作る代表的な左官材です。古くから用いられている素材で、城や蔵の壁などにも多く用いられています。滑らかな質感が特徴で、シックハウス症候群を引き起こす原因物質を分解するなど空気清浄の機能も持っていますが、一方で脆くひび割れなどが起こりやすいというデメリットもあります。
■珪藻土
珪藻土とは、プランクトンの化石が堆積してできた土をさし、糊などで固めて使用します。吸湿放湿性に優れており、室内の内装に使用すれば湿度調整機能を担える点が特徴です。反面、その吸水性の良さによって床に何かをこぼしてしまった場合、コーヒーや醬油など色の濃い液体などは落ちにくいという難点もあります。
■聚楽壁
京都の聚楽第付近の土を使用していたことからこの名が付いたと言われている聚楽壁は、性質としては漆喰や珪藻土とほぼ同じものです。混ぜる土などによって色のバリエーションが増えることはこの塗材の特徴となります。デメリットは漆喰などと同様、衝撃に弱くひび割れなどが起きやすいという点です。
■シラス壁
シラスは白州とも表記し、火山灰が地層になったものをさします。超微粒子からなっており、優れた調湿機能や消臭機能を持っています。見た目もナチュラルでシックハウス症候群などの心配もない点はメリットと言えるでしょう。一方で、材料費が高く工期も長くなりがちで、ひび割れが起こった場合などは修復するのに手間がかかるという点はデメリットとして押さえておかなくてはなりません。
■モルタル
モルタルはセメントと水を混ぜて作る左官塗材です。壁や床の仕上げ材として用いることができるだけでなく、壁や床そのものの素材としても使うことができます。ザラザラとした表面に味があり、デザインの自由度も高いことからスタイリッシュな店舗などに好まれ、耐火性に優れている点も使い勝手が良いとされています。片や、衝撃に弱くひび割れが起こりやすいといったデメリットが指摘されています。
以上、代表的な左官塗材をみてきましたが、これらの素材と比較してbealstoneがどのような特徴を持っているのかを確認していきましょう。
⇩⇩おしゃれな左官材料ビールストーンに関するコラムはこちら⇩⇩
ビールストーンの特徴とは?
ビールストーンは鉱物性の左官塗材ですが、見た目の印象としては大理石を連想させます。
いわゆる「研ぎ出し・テラゾ」タイプに属する素材となります。
テラゾとは、12ミリメートルほどの大きめの天然玉石などにセメントや顔料を加えて表面を滑らかに研ぎ上げる技法を言います。
耐久性に優れカラフルな仕上げが出来、大理石のようなゴージャスさを併せ持つ点が特徴です。
また、研ぎ出しとは、テラゾとほぼ同じ様な意味で、手順としては天然の玉砂利など粒の小さな骨材にセメントと顔料を混ぜたうえで、表面を滑らかに磨き、仕上げる工法のことをさします。
ビールストーンは、人造大理石のような重厚感を持ち、表面をツルツルに研磨する研ぎ出し技法で仕上げているため、モダン・レトロを問わず、周囲の環境と調和させることができます。
床や壁の仕上げだけでなく、既存の家具や什器、テーブルやカウンターに塗るなど、アイデア次第で様々な用途に応用することができる点も特筆ポイントです。
このように、室内での使用はもちろんのこと、屋外でも水平、垂直面に施工が可能であり、色彩表現やデザインなどにも自由度が非常に高いという点が大きな特徴と言えます。
耐久性に優れている
ビールストーンは様々な骨材を混ぜて作る仕上げ塗材です。骨材とは、コンクリートに混合させる砂や石のことでコンクリートの強度を高める働きがあります。ビールストーンは、成分自体が固く凝結硬化するうえ、大きめの骨材も含有することができるため、漆喰や珪藻土、モルタルなどでは出せない耐久性も発揮することができます。
接着性にすぐれている
ビールストーンは接着性に優れているため、木や金属、タイル、MDFなどあらゆる下地に対応することができます。
薄い膜層にも対応できる
ビールストーンは非常に薄い膜層にも対応でき、骨材の大きさや作業の内容等によって、3ミリメートルから数センチメートルの厚さで施工することが可能です。
家具や什器等の場合は仕上げ厚みが5mm程度が基本になってきます。
床などに施工する場合は10mm以上を確実にとってください。
⇩⇩実際の施工の様子を見る⇩⇩
色調とデザインの組み合わせが豊富
ビールストーンの主体成分は白色です。そのため、顔料の混ぜ合わせによって無数のカラーバリエーションを実現することが可能になります。また、骨材も削ることが可能な硬度を持つものであれば種類を選びません。例を挙げると今住んでいる地域の特色ある石や貝殻などの種石を大きいものから小さいものまで自由に混入させることもできます。色彩と骨材の組み合わせは無限で、配合の仕方によって世界で唯一のオリジナルな仕上がりを期待することができるのです。
乾式、湿式での研磨が可能
ビールストーンは、乾式でも湿式でも条件を問わず研削研磨ができるので、作業性に非常に優れています。これにより、施工期間の短縮や作業の安全性なども確保することが可能です。
自然環境にやさしい
ビールストーンは成分の97パーセントが天然鉱物です。そのため、自然を汚すことなく環境に負荷をかけません。主成分が白色のため現地での着色も可能になることから、輸送コストの削減や製品の廃棄ロスの縮小が期待できます。
ビールストーンはサカンアートがおすすめ
優れた左官塗材として注目のビールストーンですが、生産はベルギーにある会社「BEAL International」社で行っているため、国内では、正規販売契約を結んでいる代理店を通さなければ入手することはできません。その数少ない代理店が輸入左官材料専門店の「SAKANART」です。