モールテックスの施工方法【材料の計量】|サカンアート.JP

モールテックスの材料の計量

正しく計量することで強度や防水性が実現

モールテックス施工での材料の計量は重要な作業の一つです。

モールテックスは正しく計量しないと強度防水性など機能が出せません。

いちいち計量器で測って材料を計量をするため、左官屋さんからは「めんどくさい」というお声をいただきますが、しっかり計量をしないとクレームの原因にもなります。

このコラムでは、モールテックス材料の計量について解説します。

モールテックス施工写真

今回の記事のポイント
✓上手にモールテックスを使用する正しい方法がわかる。

《目次》
モールテックスの層をつくるために必要な材料
主材の種類
顔料は色番号によって使用量や種類が異なる
平米数に対して計量する量の考え方
かくはんの順番

 

モールテックスの層をつくるために必要な材料

モールテックスの施行は、テクニカルレイヤー(1ミリ厚の層)を作るのが基本です。

防水性強度を出すためには、このテクニカルレイヤー2層にする必要があります。

このテクニカルレイヤーを作るうえで、材料の計量を守らないと強度や防水性は出ません。

まずテクニカルレイヤーを作るうえで必要な材料を下記に記載します。

基本的にテクニカルレイヤーはこの3つから作ることが可能です。

顔料は色番号によって、顔料の種類や量が変わります。

※主材は基本的には2Nを使用

ピックアップ商品

モールテックス 主材カラー2N 25kg
モールテックス 混和液 ビールクリル2(1L)
顔料OXY ROUGE VANDYCK 400g CUBERDON

主材の種類

モールテックスカラーの主材は5種類です。

  • 2N
  • F1
  • F2
  • F3
  • F4

基本的には2Nを使います。

2Nテクニカルレイヤー(1ミリ厚の層)を作ることで強度防水性を出すことが可能です。

MORTEX主材の種類 粒子サイズ

MORTEX COLOR 2N

0.8ミリ

MORTEX COLOR 2 F1

0.26ミリ

MORTEX COLOR 2 F2

0.17ミリ

MORTEX COLOR 2 F3

0.03ミリ

MORTEX COLOR 2 F4

0.023ミリ

2Nが1番粒子が大きく、強度防水性に優れています。

逆に粒子が小さくなることで強度や防水性は失います。

F1~F4はテクニカルレイヤーで使うことより、仕上げ塗り(フレスコ塗りやアセッコ塗り)などの意匠仕上げの時に使うことが多いです。

モールテックス専用混和液ビールクリル2

モールテックス専用の混和液はビールクリル2しかありません。

ビールクリル2100mlで103gです。

計量の際はグラム換算した方が楽なので覚えておきましょう。

ビールクリル2主材の種類によって入れる量が異なります

下記を参考にしてください。

MORTEX COLOR2 主材 主材1㎏に対してのビールクリル2の使用量
2N 200ml 206g
F1 200ml 206g
F2 230ml 237g
F3 320ml 330g
F4 370ml 381g

ビールクリル2の使用量は、2NとF1は同じですが、F2からは使用量が増えるので注意しましょう。

顔料は色番号によって使用量や種類が異なる

顔料の使用する種類や量を計算するためには色番号をまず決めなければなりません。

 

勘違いされる方が多いですが、顔料を入れずに施工するとカラーチャートのBM01に仕上がります。

BM01白っぽい色です。

モールテックスBM01

顔料を入れないと人気のモルタル色(グレー系)には仕上がりません。

ここではモルタル色の配合比だけ紹介します。

色番号 顔料 主材1㎏に対しての顔料の量
BM57 BR NOIR 36.66g
BM58 BR NOIR 18.34g
BM59 BR NOIR 11.00g
BM60 BR NOIR 3.66g
BM65 NERO VITE GERMANIA 23.33g
BM66 NERO VITE GERMANIA 11.67g
BM67 NERO VITE GERMANIA 7.00g
BM68 NERO VITE GERMANIA 2.33g

このように色番号によって使用する顔料の種類や量が変わります。

またこの配合表は施工資料にも記載があるので、施工資料が必要な場合はお問い合わせください。

モールテックスの施行写真

ビールクリル2は顔料の0%~75%の量を追加しても大丈夫

モールテックステクニカルレイヤー(1ミリ厚の層)を作る際に、顔料に水分を取られて施工性が悪くなることがあります。

施工性を良くするために、ビールクリル2を顔料の使用量の0~75%まで追加しても構いません。

これではわかりづらいので、例を使って説明します。

(例)BM59で計量する場合

主材2N1㎏に対して

ビールクリル2206g(200ml)

顔料はBR NOIR11g

顔料に水分を取られて施工しづらいためビールクリル2を追加します。

追加できる量は顔料の0~75%の量なので、顔料11gの0~75%。

顔料11gの0~75%は0g~8.25gなので、ビールクリル2の追加分は0g~8.25gまで追加して大丈夫です。

今回はわかりやすいようにビールクリル2追加分5gにします。

最終的には、

主材2N1㎏に対して

ビールクリル2は206g5g211g

顔料はBR NOIR11g

になります。

ビールクリル2は絶対に追加しなければいけないものではありませんが、

施工をやりやすくするための方法なので覚えておくと便利です。

ただ0~75%は覚えづらいとは思うので、顔料の量の50%くらいのビールクリル2を追加すると覚えておきましょう。

平米数に対して計量する量の考え方

1㎡のテクニカルレイヤーを作るのに主材は2㎏使う

1㎡のテクニカルレイヤーを作るのに主材は2㎏使います。

防水性強度が必要な場合はテクニカルレイヤーを二層にする必要があるので、

2㎏+2㎏で合計4㎏使うことになります。

さらに基本的にはテクニカルレイヤーの上に仕上げ塗り(フレスコ塗り、アセッコ塗り)をします。

仕上げ塗りでは1㎡あたり主材1㎏

つまり1㎡あたり主材を使う量は、テクニカルレイヤーが二層と仕上げ塗りなので、

2㎏(テクニカルレイヤー)+2㎏(テクニカルレイヤー)+1㎏(フレスコ塗りorアセッコ塗り)

1㎡あたり使う主材の量は合計で5㎏です。

モールテックスの施行写真

5㎡の床をBM68で施工する場合

わかりづらい部分なので例を使って説明します。

5㎡の床をBM68で施工する場合

 

まず床は人が歩いたり、物を置くことが想定されるので強度が必要になりますよね。

つまり強度をつけるためにテクニカルレイヤー(1ミリ厚の層)を二層にする必要があります。

 

一層目のテクニカルレイヤーに使う主材の量は、

平米数×2㎏(1㎡のテクニカルレイヤーを作るのに必要な主材の量)なので

5㎡×2㎏=10㎏

5㎡の場合、テクニカルレイヤーを作るのに

2N10㎏

ビールクリル22060g10g(顔料の0~75%)

顔料NERO VITE GERMANIA23.3g

を計量します。

 

二層目のテクニカルレイヤーも一層目と同様の手順です。

 

二層目を塗り終えたら仕上げ塗り(フレスコ塗りとアセッコ塗り)の分を計量します。

仕上げ塗りの分はテクニカルレイヤーの半分の量で大丈夫なので

(2NかF1の場合)主材5㎏

ビールクリル21030g5g(顔料の0~75%)

顔料NERO VITE GERMANIA11.65g

5㎡の床をBM68で施工する場合の計量はこのような流れになります。

テクニカルレイヤーは1㎡あたり主材は2㎏

仕上げ塗りは半分の1㎏と覚えておきましょう。

 

例のように床などの強度が必要な場所、洗面台やキッチンなど防水性が必要な場所テクニカルレイヤーを二層塗の計算をします。

逆にテーブルの天板や壁などの強度や防水性が必要ない場所テクニカルレイヤーは一層だけでも構いません。

かくはんの順番

顔料とビールクリル2から先に混ぜる

顔料ビールクリル2から先に混ぜておきましょう。

顔料をビールクリル2に馴染ませておかないと顔料がダマになり、仕上がりが悪くなります。

 

顔料とビールクリル2は前日の準備として混ぜておいても構いません。

準備の段階では、主材入れないでください。

主材を入れると固まってしまいます。

ビールクリル2と顔料を混ぜ合わせた物に主材を少量ずつ入れる

ビールクリル2と顔料を混ぜた物に主材少量ずつ入れます。

少量ずつ入れながら攪拌しましょう。

ダマがなくなるまでしっかりと混ぜましょう。

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