Concretal

カイムコンクレタールは、ドイツ生まれの鉱物塗料ブランド KEIM(カイム) のシリケート(珪酸塩)塗料です。コンクリートやモルタルの素地の質感を消さずに“染める”ように着色できる、内外装用の仕上げ材です。

塗膜で素地を覆い隠す一般的な塗料とは異なり、主成分の水ガラスが素地と化学反応して一体化します。だからこそ、「白く塗ったコンクリート」ではなく「白いコンクリート」そのものの表情が生まれます。打ち放しの風合いを残したまま色をととのえたい建築に最適です。

素地の質感を活かしたまま着色する、ドイツ生まれのシリケート塗料

カイムコンクレタールの3つの特長

1. 素地の表情を残す「含浸着色」

カイムコンクレタールは素地に含浸し、化学的に一体化します。
そのため型枠の跡・Pコン・骨材のわずかな凹凸といった、コンクリートが本来もつディテールが塗りつぶされません。

仕上がりは半透明。色をのせるのではなく、素地に色を定着させるという考え方の塗料です。

カイムコンクレタールで仕上げたコンクリート建築の外観
IKEUCHI GATE(札幌)/カイムコンクレタール施工(© KEIM)

2. 無機顔料による、数十年単位の色持ち

発色を担うのは無機顔料。有機顔料と違い紫外線による退色がほとんどないため、あざやかな色が数十年にわたって続きます。

さらに塗膜を形成しないため、塗膜の割れ・膨れ・剥がれという経年劣化の原因そのものが起こりにくいのが大きな利点です。期待耐用年数は20年以上とされています。

シリケート塗料と樹脂系塗料の経年比較。隣り合う建物の色あせの違い
シリケート塗料(左)と樹脂系塗料(右)の経年比較。同じ年数でも差が出ます(© KEIM)

3. 高い透湿性と、鉱物由来の安全性

素地と一体化した仕上げは透湿性が高く、壁内部の湿気を逃がします。湿気の逃げ場がないことで起きる膨れや剥がれを防ぎます。
また強アルカリ性のため、カビ・藻・汚れに強いという性質も備えています。

原料は天然鉱物。溶剤・可塑剤・防腐剤を含まず、不燃性で有毒ガスも発生しません。環境性能を重視する建築にも安心して採用いただけます。

塗膜の膨れと黒ジミ汚れが発生したコンクリート壁の例
湿気の逃げ場がないと起こる膨れ・黒ジミ。透湿性の高さがこれを防ぎます(© KEIM)

カイムコンクレタールの仕様

製品名:カイム コンクレタール・ラズール(専用希釈剤:コンクレタール・フィクサティフ)
主成分:水ガラス(珪酸カリウム)、コロイダルシリカ、無機顔料
適用下地:コンクリート、モルタル、漆喰、押出成形セメント板、ALCパネル、PC板、GRC、レンガ、天然石などの鉱物・石灰系素地
色:標準色約200色(KEIM Exclusiv カラーパレット)+日塗工番号などによるカスタム調色対応
塗装方法:刷毛・ローラー・スプレー
標準使用量:コンクリート2回塗りで約0.125L/㎡/回
透湿性:sd値 ≦0.02m
乾燥時間:約12時間
施工可能気温:5〜30℃
荷姿:主材5L缶・15L缶/希釈剤5L・20L
期待耐用年数:20年以上

希釈率で“透け感”をコントロールできる

カイムコンクレタールは専用希釈剤との配合比を変えることで、仕上がりの透明度を自在に調整できます。

✔ 1:1 など濃いめ|色の均一性が高く、ムラの少ない落ち着いた面に
✔ 1:5/1:10 など薄め|素地の濃淡が透け、意図的に表情を残した壁に

「完全に均一なコンクリート」から「あえてムラを活かした壁」まで、同じ色でもまったく違う表現が可能です。設計意図に合わせて現場で調整していきます。

コンクリートに塗ったシリケート塗料と樹脂塗料の色の出方の比較
同じ色でも、素地との一体化のしかたで見え方は変わります(© KEIM)

用途・活用シーン

  • 打ち放しコンクリートの色調整・補修跡なじませ|色ムラ、ジャンカ補修跡、打ち継ぎの差を、質感を残したままそろえられます
  • 外装・外壁のリノベーション|透湿性と耐候性の高さから既存コンクリート建築の改修に適します。塗膜をつくらないため、塗り替えサイクルに追われにくいのも魅力です
  • 内装のアクセントウォール・店舗空間|無機質で静謐な壁面は、商品やブランドの世界観を引き立てる背景になります
  • 公共建築・文化施設|長期の色持ちと不燃性、環境負荷の低さから、美術館・図書館・庁舎といった長く使われる建築でも世界各国で採用されています
外構・カーポートの壁をカイムコンクレタールで仕上げた例
住宅の外構まわりでも、素地の質感を活かしたまま色をととのえられます(© KEIM)

施工実例

カイムコンクレタールは、世界各国の著名な建築で採用されています。国内ではIKEUCHI GATE(札幌)などの実績があります。

マリーナ・ワンのコンクリート柱と緑のある吹き抜け空間

マリーナ・ワン(シンガポール)

IKEUCHI GATE 札幌の外観

IKEUCHI GATE(札幌)

このほか、バウハウス・デッサウ校、ヴァイセンホフ住宅(ル・コルビュジエ)、クレムリンの赤い壁など、歴史的建築の保存・修復にも採用されています。

導入時のポイント・注意点

  • 鉱物・石灰系素地専用です。既存の有機系塗膜や樹脂系塗装の上には施工できないため、事前の下地診断が必要です
  • 素地の状態がそのまま表情に出ます。必ず現場で試し塗り(見本板・現場サンプル)を行い、仕上がりを確認してください
  • 希釈率・塗り回数で印象が大きく変わるため、経験のある施工者による施工をおすすめします
  • 施工可能気温は5〜30℃。降雨・凍結のおそれがある時期・条件は避けてください

よくあるご質問

Q. 一般的な塗料と何が違いますか?
A. 一般的な塗料が塗膜で素地を覆うのに対し、カイムコンクレタールは水ガラスが素地と化学反応して一体化します。塗膜をつくらないため、割れ・膨れ・剥がれが起こりにくくなります。

Q. 既存の塗装の上から塗れますか?
A. 塗れません。鉱物・石灰系の素地専用です。既存の有機系塗膜や樹脂系塗装がある場合は、事前の下地診断と処理が必要になります。

Q. 色はどのくらい選べますか?
A. KEIM Exclusiv カラーパレットの標準色約200色に加え、日塗工番号などによるカスタム調色にも対応します。

Q. 打ち放しの補修跡は隠せますか?
A. 希釈率を調整することで、質感を残したまま色差をなじませることができます。完全に均一に見せるか、あえて濃淡を残すかも設計できます。

Q. どのくらい持ちますか?
A. 期待耐用年数は20年以上。無機顔料のため紫外線による退色がほとんどなく、数十年にわたって色が続きます。

Q. 内装にも使えますか?
A. 使えます。不燃性で溶剤・可塑剤・防腐剤を含まないため、美術館・図書館・店舗などの内装でも採用されています。

こんな方におすすめ

✔ 打ち放しの質感を残したまま、色だけをととのえたい
✔ 塗り替えの手間をかけず、長く色が持つ外壁にしたい
✔ 既存コンクリート建築を、素材感を活かして改修したい
✔ 溶剤を使わない、天然鉱物由来の塗料を選びたい
✔ 設計意図に合わせて透け感・ムラをコントロールしたい

ほかの左官材料もあわせてご検討ください

コンクリート表現は、素材を変えることで「塗る」「染める」「つくる」と選択肢が広がります。

フレスコトン

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打ち放し風を“つくる”左官材。巣穴・Pコンまで再現

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下地を選ばない金属仕上げ。真鍮・青銅など約20種

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カイムコンクレタールは下地と希釈の設計が仕上がりを決める素材です。まずはプロと一緒に、最適な仕様を固めていきませんか?

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