モールテックスを失敗しないために 下地編
せっかくオシャレでキレイなフロアに仕上げたいと思っていたのに、失敗してしまうのは残念ですよね。
キレイにモールテックスで仕上げたフロアを完成させるために、下地から失敗しないための方法をお伝えします。
今回の記事のポイント
✓下地処理の大切さがわかる。
✓失敗しない為の方法や対策がわかる。
《目次》
・モールテックス施工で失敗しないための下地処理
・モールテックス施工は下地処理がカギ
・モールテックス施工で考えられる失敗
・失敗しない下地処理
-失敗しないための下地処理の方法① パテ
-失敗しないための下地処理方法② 寒冷紗
-パテ処理と寒冷紗は両方やるのがおすすめ
・モールテックスのアク・シミ
-アク・シミに対する対処法
・モールテックスの失敗を防ぐために下地処理が大切
-継ぎ目処理はパテ処理と寒冷紗(ファイバーテープ)必須
-アクやシミ対策にはアク止めかモールテックスを二層塗り
モールテックス施工で失敗しないための下地処理
モールテックスは2~3ミリの薄塗の左官材料ですが、ひび割れやクラックに強いです。
モルタルと違い、勝手に収縮してひび割れを起こしたりしません。
ですが、施工の際は注意が必要です。
他の左官材料にも言えますが、下地の構造的な動きによりモールテックスにひび割れが起きる可能性があります。
モールテックスの施工で失敗しないためには、構造的な動きを止める下地処理が大切です。
モールテックスで仕上げたフロア
モールテックス施工は下地処理がカギ
モールテックスを施工する際、大切になるのが下地処理です。
下地処理をしっかりすれば、上の画像のようにシームレスに施工することができます。
モールテックスは表面強度があり、耐摩耗性にも優れているため、傷がつきにくく永年きれいに使うことが可能です。
※モールテックスの表面強度はモルタルの1.5倍
モールテックス施工で考えられる失敗
モールテックスはひび割れしづらい材料です。
モルタルのように収縮して自発的にひび割れしたりしません。
ただどうしても失敗してしまうことがあります。
- 下地の継ぎ目でひび割れ
- アクが表面に出てきた
- 下地の凹凸が色むらで出てくる
考えられる失敗としては上記になります。
上の画像のような状態で、そのままモールテックスを施工すると不具合を起こす可能性があります。
不具合を起こさないために、しっかりと下地処理をすることが大切です。
モールテックスはひび割れに強い材料ですが、下地処理をしないとひび割れを起こす可能性があります。
理由としては、下地の継ぎ目から構造的な動きが生じて、その動きにモールテックスが耐えれなくなるからです。
モールテックスの施工において下地処理が大切になります。
失敗しない下地処理
モールテックスを施工する下地を
1.継ぎ目の隙間やビス穴のへこみがない状態にすること。
2.下地自体が、たわむことがないように、構造的に動かないようにすること
が失敗しないための下地処理の大事な部分になります。
これはモールテックスだけでなく、どの左官材料を施工する場合にでも有効です。
失敗しないための下地処理の方法① パテ
下地同士の継ぎ目の隙間や凹みにパテを塗って、平坦な状態になるように埋めます。
柱に下地を取り付けた際のビスを打ち込んだ凹み部にもパテで埋めましょう。
パテは半練りのペースト状のものや粉末状のものを現場にて水で練って使うものが主流です。
ただ一度の施工だと乾いていくうちにパテそのものが痩せをおこし、平坦に仕上げたはずなのに出来上がりは少し凹んでしまうこともあります。
なので1度塗って、乾かした後、2度、3度と塗らないときれいに納まらない可能性があります。
失敗しないための下地処理方法② 寒冷紗
下地が構造的に動かないように寒冷紗を使って、モールテックスを塗る下地を補強します。
※寒冷紗とは、平たいガーゼのような布テープです。
※ファイバーテープと言ったりします。
下地のすべての継ぎ目に対して、幅50㎜もしくは100㎜程度の寒冷紗(メッシュ状のグラスファイバーテープ)を貼ります。
寒冷紗(ファイバーテープ)により下地の構造的な動きを止めることが可能です。
寒冷紗(ファイバーテープ)にも素材が様々なものがあります。
- 耐アルカリ性
- 伸縮性を持たない
モールテックスを施工の場合、寒冷紗(ファイバーテープ)を選ぶ際は、耐アルカリ性のもので伸縮性を持たないものが望ましいです。
※床などに施工する場合は、壁よりもさらに補強強度を増すために、1m幅のロールシート状の寒冷紗(ファイバーテープ、ファイバーメッシュ)の使用をお勧めします。
→床施工の場合は、1m幅のロールシート状の寒冷紗(ファイバーテープ、ファイバーメッシュ)を敷くことで、面での強度も増します。
パテ処理と寒冷紗は両方やるのがおすすめ
パテ処理と寒冷紗の敷き込みは併用するとさらにひび割れ対策としては安心です。
単なる面の繋ぎ目だけでなく、入隅や出隅などにも寒冷紗を敷きこんで、パテで凹みを無くすことで、モールテックスで不具合を起こすことはありません。
この記事ではパテ処理と寒冷紗による下地処理を紹介しましたが、下地処理をしなくてはならない場合はほかにもあります。
実際に施工される左官屋さんや工務店さんにご相談いただきながらモールテックスを施工することがおすすめです。
モールテックスのアク・シミ
モールテックスを施工した際に、アクが表面に出てくることがあります。
アクは元々下地材が持っている成分が染み出してくる場合や、リフォームなどで下地材が使用されていた環境によって、タバコのヤニが影響したりする場合もあります。
いずれにしてもアクが表面に出てくると仕上がりはカッコ悪いです。
アクの一例
アク・シミに対する対処法
このアクというのは、湿式の左官材料で仕上げた際には表面に出てくることがあります。
モールテックスも例外ではありません。
対処法としては、
- アク止めシーラーを塗る
- モールテックスを二層塗りする
の主に2点になります。
基本的にはモールテックスは二層塗りをすればアクやシミは防げます。
※二層塗りとは、モールテックスの1ミリ厚の層(テクニカルレイヤー)を二回塗り重ねる作業です。これにより、強度や防水性が出せます。
一層塗りで仕上げる場合はアク、シミには注意が必要です。
強度や防水性が必要ない場所は一層塗りで仕上げることもあります。
例えば、家具や壁など。
一層塗りの場合だと下地からくるアクやシミを完全に防ぐことができない可能性があります。
そのため、あらかじめアク止めシーラーを塗るか、二層塗りにするしかありません。
モールテックスの失敗を防ぐために下地処理が大切
継ぎ目処理はパテ処理と寒冷紗(ファイバーテープ)必須
モールテックスはシームレスに施工できるのが特徴の左官材料です。
2~3ミリ厚の薄塗りで防水性や強度を出すことができます。
ただモールテックスは構造的な動きには対応できないので、継ぎ目処理が必要です。
継ぎ目処理ではパテと寒冷紗(ファイバーテープ)を使いましょう。
これにより下地からくる構造的な動きを止めることができます。
アクやシミ対策にはアク止めかモールテックスを二層塗り
モールテックスはどの下地でも対応できる接着性があります。
木製の下地(例えばコンパネやベニヤなど)との相性はかかなり良いですが、木下地だとアクやシミの対策が必要です。
アクやシミ対策として
- アク止めシーラーを塗る
- 1ミリ厚の層を二層塗る
のどちらかになります。
基本的に二層塗で施工した方が良いです。
二層塗をすることで、強度や防水性がでて、モールテックスの機能が十分に発揮されます。