塗り壁はどんな種類あり、どんな材料で出来ている?メリットや注意点も解説

塗り壁の種類とメリットや注意点とは

塗り壁は外構や内装にも使用される建物の壁の種類のひとつです。日本において古くから用いられてきた技術で身近な壁であり、最近でも色々な建築物に採用されています。
素材ごとに特徴を理解した上で塗り壁を取り入れれば、より自分の理想に近い、魅力的な建物づくりができるでしょう。
本記事では、塗壁のメリットとともに、塗壁の色々な種類を紹介
また、塗り壁を施工する際の注意点なども解説します。塗り壁に興味がある方はぜひ参考にしてください。
塗り壁

【今回の記事のポイント】
✔︎塗り壁の種類やメリットがわかる
✔︎塗り壁を採用する場合の注意点がわかる

更新日:2023/10/15
初稿:2022/5/21

《目次》

塗り壁とはどんなものなのか?

塗り壁とは、下地の上に土などの自然素材を塗り仕上げる壁のことです。
世界の色々な地域で用いられている工法であり、日本でも古くから伝統的に採用されています。
その高い機能性独特な風合いから人気が高く、最近においても塗壁を取り入れた建築物は珍しくありません。
塗り壁
中でもモールテックスは輸入左官材料として人気の高い左官材料です。
左官独特の風合いと好評のニュアンスカラーによって、さまざまな場所で使用されています。

塗り壁のメリットとは何か?

塗り壁には多くのメリットがあります。ここでは、塗り壁のメリットについて見ていきましょう。
塗り壁のメリットとして挙げられるのは以下の4つです。

1:日本の風土にマッチしている
2:防火性に優れている
3:体にやさしい素材を使用している
4:よりオリジナル性の高いデザインを叶えられる

続いては4つのメリットについての解説を詳しくみていきます。

1:日本の風土にマッチしている

塗り壁のメリットとしてまず大きいのは、日本の風土に適した特性を持っていることです。
 日本の気候は高温多湿であり、また季節や天候・気温などによって湿度が逐次高低します。
 そのため、いかに快適な湿度を保つかが非常に重要です。そこで便利なのが塗壁の調湿性です。
 塗り壁を建物や室内に採用すれば、室内の湿度が高くなったときは塗壁が湿気を吸収します。

 また、室内の湿度が低くなったときには反対に塗壁が湿気を放出します。
このように、自然と空間の湿度を調整するはたらきが塗り壁にはあるのです。
細かく湿度に気を配り続けるのは大変ですが、塗り壁を利用することにより、楽に快適な空間を整えることができます。

塗り壁
また、断熱性が高いことも塗り壁の特徴のひとつ。夏場は外の熱気や日差しなどをシャットアウトし、室内に暑さが伝わらないようにしてくれます。また、冬場は室内の温かさを外に逃がさないようはたらきます。
季節や湿度の変化が大きい日本において、生活しやすい魅力的な環境づくりに塗り壁はうってつけと言えるでしょう。
 

2:防火性に優れている

塗り壁には防火性に優れているという長所もあります。
塗り壁を作るときには下地としてモルタルを使用しますが、このモルタルの材料はセメントや砂など、燃えにくい素材です。
また、下地の上から塗って仕上げる土などの自然素材も燃えにくいと言えます。
つまり、塗壁作りに選ばれる素材が燃えにくいものばかりなので、塗り壁は防火性が高くなるのです。

戸建ては木を多く使用して建築されるのが一般的。木材という燃えやすい素材が多く選ばれるからこそ、塗壁を活用するなどの工夫で防火性を高めていくのが有効です。

塗り壁

3:体にやさしい素材を使用している

建築物に使用される化学物質はときに体に影響を与えることもあります。
化学物質により「シックハウス症候群」が引き起こされ、鼻水・のどの乾燥・頭痛・発疹などの症状が体に表れることも。
健康のことを考え、できる限り化学物質を使用しない建物を求める人も少なくありません。
その点、塗り壁に採用される素材はほぼ全てが自然のもの。化学物質は使わないので、体にやさしいと言えます。

塗り壁

4:よりオリジナル性の高いデザインを叶えられる

塗り壁が人気を集める大きな理由は、オリジナリティのある特別なデザインや内装にできることです。
既存の壁紙などを貼って仕上げる壁と異なり、塗り壁は技術のある職人が仕上げ材を塗って完成させます。
そのため、塗り方によって壁に色々な個性を出すことが可能です。

塗り壁
例えば仕上げ材を塗るときのコテで壁に模様をつけることができます。
平らに整えず敢えてコテの跡をそのまま残す「コテ波」扇の形を描く「扇模様」コテの後ろ部分で洋風の模様をつける「スパニッシュ」など多様な塗り方があります。
コテだけでなく、ハケを使って模様をつけたり、乾く前の壁に貝や石などをくっつけたり、アイデア次第でデザインの幅は無限です。
また、塗壁は素材の種類などによって壁の雰囲気がガラリと変わります。
このような塗り壁の特徴を活かしながら壁作りをすれば、自分の思い描く理想の壁を完成させることもできるでしょう。

塗り壁の世界は奥深い!種類の紹介

塗り壁には色々なタイプのものがあります。
それぞれ異なる特徴があるので、自分の考える建物にはどの種類が適しているか考える必要があります。
ここでは、塗り壁のバリエーションについて紹介します。
 
塗り壁

■土壁

塗り壁の中でも最もポピュラーなもののひとつです。
土に藁などを混ぜたものを仕上げ材として使用します。土の混ぜ具合などによって色々な質感を出すことが可能です。
なお、藁が経年によってより細かな繊維となり、強固なつなぎとなるため、年月が経つにつれ壁の強度がアップしていくこともポイント。蓄熱性や防音性などにも優れています。

土壁

■砂壁

砂を糊で練ったものを仕上げに使用する塗り壁です。砂のタイプなどによって、こちらも色々な質感を叶えることができます。和のデザインと相性が良く、和室や茶室などの室内によく使用されています。

砂壁

■漆喰壁

漆喰は消石灰に糊や繊維を加えた塗り材を仕上げに使う塗り壁です。滑らかで光沢のある独特な質感が特徴的。
消石灰が空気中の二酸化炭素を吸収するに伴い、室内の乾燥や湿気のこもりなどを防ぎ、快適な空間に整えてくれます。
また、消石灰は強いアルカリ性の物質であり、室内のカビなどを防ぐはたらきがあることもポイント。
このような特性を活用し、漆喰は大切なものを保管しておく蔵などに多用されてきました。
その見た目の美しさと高い機能性により、現在でも大きな人気を誇る塗り壁です。

漆喰壁

■珪藻土壁

珪藻土は水中に存在するプランクトンの死骸が堆積してできる物質です。
コースターや調味料入れなどのアイテムにも使用されているため、知っている人も多いでしょう。
昔から幅広く利用されてきた素材であり、耐熱性や耐久性が強い特性を活かし、七輪や耐火断熱レンガなどの素材になっています。
吸放湿性が高く、調湿に優れているため、塗り壁の素材として選べば室内のカビの発生などを防ぐことも可能です。

また、珪藻土は単体だと滑らかさが足りないため、ほかの素材と混ぜて仕上げ材にするのが基本ですが、混ぜるものによって風合いが変わることもおもしろみのひとつです。着色したり、形の大きい素材を混ぜたり、アレンジ次第でオリジナリティをプラスできます。おしゃれで美しい壁を作りたい人に人気の塗り壁です。

珪藻土壁

■プラスター壁

鉱物質の粉末を水で練ったものを仕上げに使用した塗り壁です。白くて光沢のある質感が漆喰に似ており、西洋漆喰とも言われています。洋風の美しい建物と相性が良いタイプです。

■モールテックス

モールテックスは、モルタルに特殊な樹脂をミックスした素材です。
塗り壁は自然素材を採用しているため、伸縮性が少なく割れやすいという短所がありますが、モールテックスは伸縮性に富んでいることが大きな特徴。また、薄く塗っただけで高い強度を実現できる効果がある点も強みです。

モールテックス 塗り壁
なお、見た目が非常におしゃれであり、塗ったところは石の素材のような独特な質感になります。壁・床など色々な部分に使用できるため、内壁をモールテックスにする人が多く見られます。スタイリッシュで魅力的な室内の空間づくりを叶えたい人にぴったりの塗り壁です。さらにモールテックスのカラーチャートは標準色だけでも64色であり、たくさんの色からお選びいただけるのも魅力の1つです。モールテックスのオンライン説明会や施工講習会も随時開催しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!

塗り壁を取り入れる際の注意点

それでは最後に、塗り壁を取り入れる際の注意点を解説します。
塗り壁

お手入れの仕方を検討しておく

塗り壁は表面が凸凹しているため、汚れがつきやすいという特徴もあります。
外壁を塗壁にした場合、風雨などにさらされるので、より汚れが目立ってしまう可能性も。
汚れたときやひび割れなど傷ついたときなどのお手入れの仕方についても検討し、確認しておくとデメリットも解消できるでしょう。

汚れがついたら水洗いをしたり、専用の洗浄剤を使用したり、ハケ・スポンジといったデリケートな掃除が可能な用具でこすったり、自分でできるお手入れもあります。ただし、汚れ落としに高圧洗浄機を選んで使うのはNG。水圧が強すぎて塗り壁を傷めてしまうためです。
もし塗壁にちょっとしたキズやひび割れなどがあるなら、壁に使われている仕上げ材と同じものをホームセンターなどで購入し、自分でキズ部分に塗りこみ修復する方法もあります。

塗り壁
なお、塗り壁の仕上げ部分はおおよそ10年以上もの時間が経過すると汚れやキズが目立つようになってくるため、定期的な塗り替えも視野に入れておくと良いでしょう。
メンテナンスの価格はどこをどのくらいメンテナンスするかにもよりますが、
例えば一般的な戸建て1軒分の外壁を塗装し直すとすれば大体80~150万円ほどがかかります。
建物の壁を塗り壁にする時点で、将来メンテナンスにかかる費用なども踏まえておきましょう。

自分の思い描く塗り壁のイメージをしっかり伝える

自分らしい建物造りをするため、塗り壁は非常に有効です。
ただし、自分の思い描く特別なデザインの塗り壁の仕上がりにするためには、自分のイメージしている情報をしっかり伝える必要があります。
例えば壁紙であれば既存のデザインからセレクトするだけなので、認識のすれ違いが生じません。
Aという壁紙を希望すれば、Aという壁紙で壁を仕上がりにしてもらえます。

しかし、塗り壁の完成形は左官職人が完成させるまでわかりません。
このような特別なパターンにしたいという自分の希望する内容が、技術のある左官職人に十分伝わっていなければ、想像と異なる壁の仕上がりになる可能性もあります。
このようなすれ違いを防ぐためにも、事前にお互いのイメージしている情報をしっかりすり合わせておくことが大切です。

自分の理想の建物づくりに活かそう

塗り壁には魅力的で快適な環境づくりにつながるメリットが豊富にあります。
塗り壁の種類ごとの特徴や取り入れる際の注意点を意識した上で、
上手に活用すれば、より機能的でよりオリジナル性の高い建物にできるでしょう。
ぜひこの記事を参考にしながら、塗り壁について知識を深め、自分が計画する建物には、どのような塗り壁が適しているか考えてみてください。

監修者からのメッセージ

監修者
監修者:毛受 進(2級建築士/1級土木施工管理技士)
サカンアートでは「世界の優れた左官材料の提供を通じて、日本の住環境をより豊かにする」事を目的としております。
左官でしか表現できない「おしゃれでありながらも居心地のいい空間づくり」。そんな左官材料を世界から日本に提供することでより豊かな住環境づくりのお手伝いができる存在となって参ります。

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